旭町の家

木々の生命力を感じながら暮らす

やわらなか拡散光が部屋全体に広がるように窓廻りに配慮した、木の生命感あふれる住まいです。
全体を優しく包む様に、1階、2階共にカーブした松の梁を用いています。それらの梁を構造的にも視覚的にもバランスよく支える柱として、5寸角の柱から尺角の大黒柱までを適所に配置しています。構造体は長期の耐久性を持たせるため、基礎まで伸ばした石場建ての納まりとし、外周のみ足固めまで基礎を立ち上げています。
限界耐力計算にて構造計算し、横移動は拘束、上下方向はフリーです。総2階建て49.3坪 上下階独立型2世帯住宅です。

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山梨産の松を渡り顎で組んだ小屋組み表しの24畳のLDKです。
昼間は和紙のシェードスクリーンが光をやわらかくします。

小上がりの畳スペースからキッチン方向を見た24畳の空間です。
必要に応じた間仕切りにより、将来への可変性能を持ち合わせています。
カーブを描いた梁は、山梨産の赤松です。
壁は白土のハンダ仕上です。ハンダ仕上とは漆喰と土を混ぜ、鏝で塗り上げた仕上です。
漆喰の丈夫さと土の風合いを兼ね備えています。
桧の床や赤松と共にリビングに光を拡散させ、明るさをつくりだします。

asahi_in6サンルームからリビングへと続く桧のベランダは回遊性と空間の広がりをもたらします。右の写真のサンルームには、隣室の洗濯室から直接洗濯物をかけられたり、必要に応じてベランダへとつづく、機能的な動線が考えられています。

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LDKの東側にあるキッチンから洗濯室、サンルームそしてベランダへと繋がる家事動線は日々の家事仕事を容易にします。

大黒柱はケヤキの尺角です。栗の敷き梁を支えながら、家族のこころも支え守ります。asahi_in5

縁側と二間続きの板の間は、軽快な4本溝の荒間障子で仕切りました。
用途に応じ部屋を区画することができます。
上部の欄間は、飛散防止フィルム付きのクリアガラスです。視覚的に部屋の広がりを感じさせます。

骨組みを現しにする事により、見える安心感があります。

南面した窓からは柔らかな光が広がります。高窓は部屋の奥まで日差しを届けます。
シェードスクリーンは和紙製。襖紙と同じ月桃紙にしています。

asahi_ex6隣地の庭木や板塀越に見た通りからの眺めです。

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA骨組みの力強さと、繊細な造作のコントラストが木の家の魅力でもあります。

asahi_ex4優しい表情の杉羽目板張りです。保守のし易さも魅力の一つです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA太格子戸と削り出しの欅引手が、毎日お出迎えをしてくれます。


設計:綾部工務店

施工途中の様子



荒壁の表塗と裏返し塗が完了した状態です。乾き具合を見て木工事を再開します。


小舞の間を抜ける光は木漏れ日のようです。


2階の天井(化粧野地)が仕上がった状態です。


竹小舞搔きが始まっています。下地まで美しいのが日本の家です。


断熱材の上に通気層、杉野地板そして透湿ルーフィングを施工し、瓦工事に入ります。
今年の春は雨が多かったですね。


断熱材は杉皮の断熱材フォレストボードを使っています。


工事の一区切りでもある上棟式の様子です。幣串は3本建ちました。今後完成に向けて職人一同力を合わせて参ります。


南面からの様子です。角垂木が入り家のかたちがはっきりしてきました。環境に馴染みながら存在感のある家を目指しました。


大屋根の棟木を入れているところです。体重をかけ大きく掛矢を振りかざさないと組めません。100%の力を出し切る心地よさと達成感は職人の特権かもしれません。
最上部にある越屋根の棟木は、後日予定している上棟日に取り付けます。
このあと角垂木を取付け、各部を木栓で締め固めてから屋根工事に入ります。



5日目です。この後、少し上げたままの建物を下げて、各部を締め、ゆがみを直しました。明日雨が降らなければ、小屋廻りはほぼ完成予定です。


小屋梁まで完成しました。柱梁ともすべて化粧材です。


仮組をしているので組立はスムーズではありますが、やはり木の狂いはありました。木の狂いを見定め、調整しながら組みます。


4日目の建て方です。建て方は、精神集中も必要ですが、4日目となるとやはり体力がないとできません。


3日目の建て方です。手前の壁が最後に閉じた壁です。長さが5間半あるため、多くの人手を必要としましたが、無事に組み込めました。息を合わせて協力し合いながらでないと組めません。
※3日目の建て方は雨のため翌日に延期です。


2日目の建て方途中の一コマです。1階リビングは松梁の並んだ、力強くやわらかい雰囲気の空間です。16本の2階松梁と欅や桧の柱達は、家と家族を共に支えます。見えている安心感が構造現しの家の良いところです。


壁を組んでから起こします。柄が長く厚貫を使うため、先に組んでしまいます。場所の関係で1階のみ組み立てましたが、垂直に立てた状態で2階の柱や通し柱を組みました。壁が出来た状態でまとめて組み込みます。


さらしを巻いてあるのが欅大黒柱と恵比寿柱(小大黒柱)です。建物の中央付近に立ち、1階と2階を繋ぎます。


建て方の様子です。半日でここまで建ちましたがこの後が時間がかかります。2層目の梁を入れた後に柱を傾けて3層目の梁を入れます。


1階の床組にも材に高低差を付けた渡り顎で納めています。水平方向の耐力を向上させます。この床組は一度解体し、再び建て方時に組み込みます。次はいよいよ建て方です。


恵比寿柱の足固めは4方から竿か雇いが貫通します。接合は車知栓と込み栓を使用します。


大黒柱の先端は栗の梁に差さります。丸みをひかるのに差している様子です。



小屋の仮組み途中の様子です。材を密着させる作業はこの段階で行います。昔は多くの建物がこの作業を行っていました。


松材の本加工が始まりました。捻れで墨程度から5分と狂いは少なめでしたがほとんどの真墨から打ち変えました。主要な継ぎ手を加工しておき、小屋の仮組に移行します。


梁の継ぎ手は、目地を2段にした金輪です。写真は2本を繋いだ状態です。


松の継ぎ手は、下加工をしてから安定するまで桟積みしておきます。材が安定してから墨を直し、本加工になります。この間14~30日。


巨大な丸鋸を使っての下加工の様子です。


模型がほぼ出来上がりました。12本の通し柱と多くの差しものが軸組を適度に固めます。


2階の大部分を占めるLDKは24畳+αです。置くに見える赤茶色い柱は、欅の大黒柱です。


入荷から半年経ち、松の太鼓梁を木づくり中です。粗加工を施した上で墨付けを行います。ざっとこの後の松梁についての作業を記しますと次の通りになります。
粗加工→木配り→墨付け→継ぎ手粗加工→狂い取りのため数日放置→継ぎ手墨直し→継ぎ手加工→継ぎ手接合調整→墨確認及び修正→各部加工→小屋組仮組→仮組解体後細部加工→削り仕上げ→養生、完成


梁に使う地松の梁と栗の梁を自然乾燥中です。松は雨に濡らすと黴が生えやすいので、入荷後すぐに写真奥の屋根の下へ移動しました。

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