綾部工務店では、建て主さんが望む家づくりを、設計・施工の面でお手伝いします。国産材の無垢材を大工が手刻みし「木組土壁の家」として造るのを、基本としています。
家造りを、あなたの手に
裏山に育った木々を使い、庭や田畑の土を家族や近所の人たちと共に練り上げ、職人は技術を出し切り、良い仕事をする。身近の材料と地域の力、そして職人の技術。それが三位一体となって、家づくりはなされてきました。それは、建物という成果物を生むだけでなく、家族や地域とのつながりをより深めるプロセスでもありました。
ところが、いつの頃からか、家は「つくるもの」というより「買うもの」になり、どこで採れたか分からない素材を使い、どこから来たか分からない職人に仕事を委ねるようになってしまいました。山は木で溢れているのに、地球の反対側から材木を運んでくるという矛盾。約20〜30数年で住まれなくなる家は、巨大な粗大ゴミとなり、土に還ることもなくなってしまいました。
家づくりが「暮らし」から乖離し、産業化していく中で失われたものを、もう一度家づくりを通して取り戻しませんか? 家族の力、人とのつながり、風土や自然との融合を結び直します。あなたの代だけでなく、ずっと愛され、時を経てますます魅力をまし、長く住み継いでいけるような家を、私たちと一緒ににつくりませんか?
綾部工務店
綾部 孝司
1)手刻み・木組・土壁が基本です
大工が一本一本の木を見て墨を付け、仕口・継ぎ手を刻んだ材を、木組みして構造体を作る。小舞を編み、土壁をつける。なるべく、真壁づくり。これが綾部工務店が基本と考える家づくりです。さらに、ニーズに応じて、石場建てにも対応できます。
木をあらわしにした木と土の家は、自然素材のよさである、自然な調温調湿機能や、感覚的な満足、癒しなどをもたらしてくれます。外界に対して閉じた空間を機械で空調するのではなく、陽射しや風といった自然の要素を取り入れながら、夏はさらりと涼しく、冬は寒くなく過ごすことができます。
ただし、自然素材はひとつひとつが個別です。不均一な自然素材は、大量生産のシステムにはのることができませんが、普段から木を触っている大工は、そのひとつひとつのクセを読み、それを個性として、適材適所に扱うことができます。大工の「木を読む」判断力と「木を扱える」技術力とがあってこそ、木のよさを最大限に引き出した家づくりが実現できるのです。
木配り
墨付け
刻み
建て方
2)建て主さんとともに造ります
「つくり手にお任せ」という家づくりではなく「ともに造る」家づくりは、まず設計段階から始まります。「新居でどんな暮らしをしたいか」を建て主さんにとことん考えてもらい、書き出していただきます。それをどう実現するかを、ともに考えます。
施工のプロセスにおいても同様です。山に木を見に行く。刻み加工で面取りや粗彫りをする。土壁の下地どなる竹小舞を編む。荒壁土をつける。建具や床のワックス塗りなど。関わっていただける場面がいろいろありますので、できる範囲でどうぞご一緒に。
建て主さんの希望の
優先順位をもとに設計
建て主さんが何を大事にしたいのかを煮詰めていくことで、どのような家にしたらいいかが見えてきます。ある建て主さんの例を挙げておきます。
・コストの範囲内で伝統的構法を採用したい。
・軒を長く出したい
・鼻歌も出る開放的なお風呂
・光あふれる居間
・居間からテラスに出られる
・開放的なキッチン&食堂
3)家族の管理で実現する長寿命の家
時を経てより美しく、深みをましていく木の家ですが、まったくメンテナンスフリーというわけではありません。横殴りの暴風雨で水がしみたりしたら、どうするか? 石場建ての足元の状態はどこを見てチェックすればよいのか? 梁や柱に大きなヒビ割れを発見した など。さまざまな場合に、適切な判断や対処が必要となります。
家をよい状態に維持するためには、住まい手が「管理」し、異変が起きた時につくり手に連絡をとり、つくり手がプロとして適切な「保守」をするという連携が欠かせません。設計から竣工までの期間に、その時どきの施工中の物件やメンテナンスを要する物件を通して、木と土壁の家の性質を学び、管理する目を養っていただきます。引き渡し時にその物件に則した「住まいのお手入れガイド」を差し上げますが、その頃までには「自分の家は自分で守れる」スキルや意識ができあがっているケースが多いです。
お手入れガイド
すべての家について、一般解としてのお手入れ法でなく、その家だけのためのお手入れの方法をまとめます。これをもとに、住みながらの管理をしていただき、必要な時には保守に駆けつけるような体制をつくっています。