季節の心地良いそよ風を受け家の木達は喜んでいます。木がよろこぶ家にはエアコンがありません。エアコンを使わない生活を実現する為に、通風による加湿冷却と吸湿や気化、軒の出と土壁による遮蔽や蓄熱など自然エネルギーだけでまかなう、昔からの知恵が息づいています。
庭木はしっかりと根付き、家の外装の杉板はだんだんと自然になじんでいく。色の変化と自然との調和が魅力の一つです。
家の中の木たちは素のままの木肌を表に出し、心地良さそうにしています。構造材を現す真壁のつくりは、木を長持ちさせる知恵の一つです。床や壁、建具などにより調湿され、室温だけでは表せない心地よさが得られます。
風土に合った軒の出は、夏の日差し遮蔽と冬の日差し取得をするのに大切な日本の家の基本です。建物の高さも控えめで、周辺の家よりも1メートル程低くつくっています。高くして剛強な壁で耐えるよりも、低くして無理はしない様にしています。
周辺とつながった庭づくりの第一歩が始まりました。柵と植栽は栗原造園さんの担当です。子供達が楽しげに集まってきます。ここから先は建て主さんの庭づくりが本格的に始まります。緑に覆われる日が楽しみです!
地棟を支える大黒柱は桧の8寸角です。将来この広いスペースは家具や間仕切り壁で仕切る予定です。
左の格子戸を開け放つと20畳になるLDKには、東西南北に窓を設け、庭で加湿冷却された自然の風を取り込む計画です。
素朴な風情の床の間は、けやきの地板を使った蹴込み床です。
設計:綾部工務店
施工途中の様子
6メートルの松梁とメートルの松梁が桧大黒柱を挟んで組み上がる所です。
大黒柱と敷き梁がしっかりかみ合う様にしています。なるべく柱を欠損させない様にします。
梁の形状を柱に写し取っている所です。
粗加工をし、放置し落ち着かせた後に変形の状況を確認している所です。
胴差しに使う9.5メートルの尺梁です。一体性を高める為に継手はありません。