地元に育った木を用い、木組みと土壁でつくる日本の気候風土に適応し四季を満喫できる住まいです。
武蔵野の雑木林を再生するべく、雨水は地下に浸透させ自然な蒸発を伴う計画には天然礎石を用いた石場建ての工法が最適です。
県産木材の西川材はできるだけ長尺材を用い、材の曲げ戻し効果や長期に渡り信頼性の高い癖組接合を各所に用いた先人に学んだ工法を採用しています。
伝統的な構法を用いた住まいは、快適に暮らしながら、CO2の削減に寄与し、製造エネルギー低減や自然エネルギーを有効に利用した低エネルギーな暮らしを実現させながら、近山の健全な育成、職人の技術や倫理観の継承など大切な要素を併せ持っています。
設計:綾部工務店
施工前・施工途中の様子

埼玉県の山で育った長尺材選木の様子です。設計途中から準備をしていた材料が桟積みの状態で適度な乾燥状態になっています。大工が癖を見るためには、修正挽き後30%くらいで入荷し仕上乾燥は下小屋で行うのが理想です。

各部の納まりを確認することと、建て方手順等確認のために1/30サイズの模型を作ります。

内部の様子も、精密に作るほどに実物のイメージをつかみやすいです。木同士のかみ合い寸法など急所がつかめます。

昔ながらに「よいとまけ」で礎石打ち、礎石を安定させます。コンクリートを使わないため全箇所調査してしっかりした地業を行った上での作業になります。

県産木材と木組みの家のPRのための小舞パネルと木の家ネット・埼玉のコンセプトパネルを掲示しています。

1/2サイズの木組み模型も西川杉製です。

西川杉の梁材が入荷した様子です。綺麗な木肌です。一定期間桟積み静置して癖を見極めます。

近県から取り寄せた松材は軒下で8年間静かに自然乾燥させたものです。

いよいよ建て方に向け出発です!

事前に地組みしてあった大黒柱のフレームを建てているところです。建て方はここから始まりました。

破風板の拝み部分は台持ち車知継ぎで納めます。木組みの方が長期間安定してしっかり接合できます。

破風板と母屋の接合は落とし蟻という木組みです。

屋根には現在でも生産が続いている自然素材のこけら葺き下地を使います。

竹小舞下地は、藁縄でしっかりと貫にからめます。構造材は下地から全て自然素材です。