梅雨の長雨と秋の長雨そして夏の夕立と、日本はやっぱり雨が多いですね。さらに台風や地球温暖化の影響でスコールのような集中的な雨も数多くあります。つまり、雨対策や湿気対策を抜きに日本の家は語れないことになります。雨に対しての性能を上げるには軒の出を深くすることが挙げられます。雨の日でも窓が開けたい場合などは窓の庇(霧除け)があると良いです。
最近、一般的につくられている住宅は、コストダウンや敷地広さの関係により軒の出が少なくなるのは当たり前、シンプルなデザインを意識し出が無い住宅もよく見かけます。地域性により軒の出を浅くすることが必要になることもあるとは思いますが、雨を眺めて文学に勤しんだり、紫陽花を見ながら雨宿りをするという風情のある生活を捨ててしまってはもったいないような気がしています。何よりも心が育たないですね。
普段の仕事では、軒の出を1メートル前後確保していますが、敷地が狭い場合はプランを工夫したり、高さを抑えるなどなるべく軒先の機能が有効に働くように意識しています。コーキングや外壁材のみに頼るのは、長期的に見て心配でもありますので。
雨を凌ぎ、夏の日差しをカットし、冬の日差しを取り入れる軒先の文化が復活することを願います。
2006年7月2日