雑木の庭に暮らすことを望む方が増えているのは周辺から雑木林が段々と減っている事が関係しているのではないかと、ふと思いました。写真の住宅は郊外住宅地や市街地に建っていますが、窮屈そうな緑では無く、木にとってものびのびと成長できるくらいの庭の大きさです。
計画当初から家と庭のバランスに配慮し、それぞれがつながりを持って快適な暮らしをサポートできる様に計画しています。いずれもエアコンなしで暮らされています。冬場はたっぷりとした日差しを受けられるように建物形状と配置に気遣いをしています。
庭を通じて周囲ともつながっていく広がりのある暮らし方は、周辺環境や近隣関係も良くしていく気がしています。
2016年12月19日
庭をつくって暮らすこと
2016年2月28日
ヨイトマケと石の基礎
天然の礎石のみで基礎をつくる事は一定の条件が揃えば、現行法下でも可能です。
コンクリートを使わない利点は、その耐用年数にしばられない事、そして建設時と除去時のエネルギーが少なく済み、産廃を減らせる事、災害時などには原状復旧が容易であるなどいつくも挙げられます。計画時の一定の条件とは、安定した地耐力を得られる地盤であること、そしてバランスの取れた木組み架構と荷重の分散が出来ていること、適切な工期が得られているかなどです。
(根切り地盤を転圧後、現地調達の割り栗石を設置し、砕石で高さを揃えた後再転圧します)
(荷重に応じたサイズの石を設置後、砕石に馴染ませ、ヨイトマケで締め固めます。)
コンクリートや鉄筋の分は安価になるため、石代と地業費用が増えてもかえって費用が抑えられる事も珍しくありません。ヨイトマケなどは、地業と石の据え付け共に行う事も出来ますが、写真の例では、割り栗と砕石設置後にランマーで突き固め、石の設置後にヨイトマケを行いました。ヨイトマケは職人ばかりで行うと予算確保が難しいため、昔ながらの結(ゆい)かイベントとして行う事がお勧めです。心棒(重り)の重さにもよりますが、4人〜10数名で行うことができ、人が増える分には問題ありません。地域の方々も飛び入り参加をしての共同作業は、何か得るものがありそうです。
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