カーボンニュートラルやSDGSの実現に向けた動きが活発化しています。
解体した古材は、通常廃棄物になってしまいますが、長期間その家を支えてきた木材は、丁寧に解体すれば使える場合が多く、特に伝統構法の場合は木組みになっているため、手ごわしであれば綺麗に解体しやすいようになっています。
写真の材料は、数十年間床を支えてきた地松の梁で、表面こそ日焼けなどで変色しているものの、削ってみると綺麗な肌目が現れてきます。新材だけの木組みよりも落ち着きを感じるのはその家の歴史を感じるからでしょうか。材は新たな居場所を与えられ再び時を刻み始めます。
廃棄物は再利用、再資源化、燃料化、埋め立ての順で徐々に環境負荷が増えるため、できることならばCO2発生の少ない再利用を目指したいところです。現在は、再資源化のための様々な技術が開発され、出来るだけ流出しないように配慮されていますが、それでも多くのものが山へ川へ海へと溜まり続けています。
まずは材料の選定に目を向け、それがどのようなライフサイクルになるのかを考え、その材料に最適な施工方法を選ぶことが大切です。出来るだけ多くの方にそのことを伝えたいと思います。