大工だからできる家

木の家づくりには、木の知識や経験が必要です。
常に木に触れ、木を知り抜く大工棟梁と、
木の性質を活かしきる
家づくりをしませんか?
綾部工務店の大工棟梁、綾部孝司が書いてます。
2007年7月20日

地震への備え

各地で大きな地震が起こっております。建物の倒壊により人命を失うことのない様に造り手として一層の技術向上を図って参りたいと思います。
さて、地震から建物を守る工法ですが、大きく分けて次の3つに分けられます。
1,耐震:地震に力で対抗する方法として最も普及している工法。読んで字のごとく地震動に耐える構造で、筋交いや合板を用い、剛性の高い建物を造り、基礎に堅固に固定する。
2,制震:地震力を吸収、受け流すなど制御する工法で、ダンパーなどの制震装置を用いる。
3,免震:地震力を受けないようにする工法で、金属ボールやゴムなどを足元に用い基礎と建物との結合状態を緩やかにする。
では、木造伝統構法の建物は、どのような方法をとってきたのでしょうか。基本的には自然に対抗し克服することではなく、自然の猛威には勝れないと謙虚に受け止め、上限を設定しない防衛手段を用意していました。具体的な方法は次回以降順を追ってお話しいたします。