自分の住む家を良く知る為には、一緒になってつくってしまう事が手っ取り早い方法の一つです。もちろん参加しにくいと言われる大工工事も参加することができます。只今刻み中の住宅は毎週土曜日建て主さんが手伝いにいらっしゃいます。建て主さんと職人が共に手を取り合いながら家づくりを行う事は、今、住宅業界で最も欠けている「つくる」という行為の重要さを再認識させます。職人の方も、見られている緊張感を感じながらの作業です。建て主さんに取っては、何物にも代え難い貴重な体験だと思います。住んでからもずっと自分が参加した家づくりの事を語り繋いで行く事でしょう。より長く残ってほしいと思う気持ちが結果的に長期住宅になるものだと感じます。
写真のノートは51年前の普請帳です。子供の頃家づくりに参加された現住まい手さんは、今でもこのノートを手にすると熱く当時の様子を語り始めます。私の祖父が携わった仕事を建て主さんから聞ける事はとても幸せな気分になります。
2009年4月12日