3月の地震以降様々な場面で想定や想定外という言葉を聞く。自然界の規模に比べ人間はちっぽけなものだ。
かつて日本の民は自然を恐れ、そして崇拝していた。様々な行動は決して自分本位、人間本位にならない様、謙虚さを常に持ち合わせていたように思う。
日本の家づくりに関する過ちのひとつは、自然に対する傲慢さゆえ、人命を守るという本来の目的に対し敢えて限界をつくってしまったことではないだろうか。
基準を守っていたのだがそれを超えてしまったというのは言い訳の一つに過ぎないような気がする。
では、何をどう想定すれば良いのか。それは、想定外を想定することだと私は思う。
人智を超えた事象に対する備えを持ち合わせる古民家とその考え方に私は魅力を感じ敬意を払う。大地震時の建物の振る舞いや、土から生まれ土に還ることの大切さをしみじみと感じている。
2011年5月7日