大工だからできる家

木の家づくりには、木の知識や経験が必要です。
常に木に触れ、木を知り抜く大工棟梁と、
木の性質を活かしきる
家づくりをしませんか?
綾部工務店の大工棟梁、綾部孝司が書いてます。
2006年2月26日

真壁と大壁

柱が見える壁を真壁、柱の見えない壁を大壁といいます。ここでは柱とは構造柱を指しますので、付け柱などの柱だけが見える壁は真壁風大壁となり、大壁の仲間です。
さて、真壁とは辞典で調べると柱や梁を現しにし、それら内法に壁を塗ったもので、構造材がデザイン要素となる壁となっていますが、大工からみた真壁とはさらに意味深いものがあり、仕事を現すのが真壁で隠すのが大壁であったりもするわけです。真壁のつくりには常に光り付けという技術(光が漏れないほど材同士を密着させる技術)が必要で、角材であれ丸太であれきちんと密着させるには丁寧な仕事が求められるわけです。もちろん大壁の仕事にも丁寧さは必要ですが、下地としての正確さが求められ壁の平面性が重要になりますが、真壁は柱や梁の木目や表情を揃える気配りも必要で、強度と美観の両方を備えるように配置します。軸を美しく見せる真壁とシンプルな表情をつくりやすい大壁、それぞれの特長を生かして、石膏ボードにクロス張りの大壁一辺倒に終わらない表情豊かな木の家をつくってはいかがでしょう。