大工だからできる家

木の家づくりには、木の知識や経験が必要です。
常に木に触れ、木を知り抜く大工棟梁と、
木の性質を活かしきる
家づくりをしませんか?
綾部工務店の大工棟梁、綾部孝司が書いてます。
2007年4月8日

屋敷森

冬の北風に備え農家の敷地内には屋敷森(やしきもり)という防風林がありました。今でも時々は見かけますが世代交代や家の建て替えのときにその多くが消滅しています。理由は管理が面倒などの理由でしょうか。屋敷森は防風のほかに家を建て替える際の柱や梁としても使われ、先代、先々代からの無言の意識を受け継ぐ方法としても意味あるものであったようです。娘が生まれたら桐を植えるという文化と同じような意味が含まれていたように思えます。
メディアでは毎日のように各地で緑が消滅している事実を伝えています。熱帯雨林の大量伐採ばかりに目が奪われそうですが、実は身近な緑を失わないよう少しでも増やすことが大切です。
屋敷森は敷地の関係で難しいのかもしれませんが、可能な範囲で緑を増やすことをお薦めします。1軒で何本か木を植えると全体で何百万本かの緑が増えます。実は無垢の木で作った家に住むと緑が欲しくなるのも事実です。人工のものでは味わえない感性を住まいながらに持つことが出来るのでしょう。住宅地が良く変わっていく姿を想像すると楽しみです。