大工だからできる家

木の家づくりには、木の知識や経験が必要です。
常に木に触れ、木を知り抜く大工棟梁と、
木の性質を活かしきる
家づくりをしませんか?
綾部工務店の大工棟梁、綾部孝司が書いてます。
2008年1月8日

200年後に残すために

200年住宅の構想が国から出されています。200年住宅に必要な性能として私は次の内容も必要になってくると考えております。
・長持ちさせるためには、100年後、150年後にも安価に部品を提供できなければならない。
・長く住みたいと思える美しさや、変幻自在な機能性を備えていなければならない。
詳しい内容は後ほど続きにて。


間が空いてしまいましたが続きです。
将来にわたり部材を供給できる点を木造住宅について考えてみましょう。私たち大工は木の生きた分だけの耐久性を家に持たせなければならないと親方から教えられます。それは、最低それだけ持たせないと、需要に木の生長が追いつかなくなってしまうからで、森林を減らさずに伐採、植林、木の成長、手入れ、そして伐採という自然(林業)のサイクルがあることが前提の家づくりをすることにより、将来にわたって安定的に部材を確保できる仕組みが出来上がるなどの理由があるわけです。そして、その材を使い廻す技術を学び、伝えることで森林と一体となった将来を見据えた生産体制が出来、結果として、森林の健全な育成や環境の保全にも繋がるわけです。
さて、長く住みたいと思える美しさや自在な機能性についてですが、まず自然の素材は風化していく様子が美しいものです。次の世代に受け渡すことを考えながら住むことで、より大切に住むでしょうから家の寿命もより長くなります。磨くほどに美しさの増す素材を使うことが大切です。また、長く住み続けるにはライフスタイルに合わせた一定の可変性も必要です。先人達から受け継がれてきた伝統構法などの汎用性の高い構法を用い100年後でもリフォームできるようなしっかりとした骨組みでつくることが良いでしょう。
将来、家の寿命が尽きたときには土に帰る家、つまり最終処分場の埋め立てゴミにならない様な家づくり、大量のエネルギーを使用しなければリサイクルできない素材使用を避けた家づくりが大切だと考えます。負の遺産を残さないためにも、、。